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「女には最後まで夢を見させるのがいい」という言葉があるように、もともと女は夢見がちですが、どうせ見せるなら、途中で現実に引き戻したりせず、ずっと見させておくといいのです。 生身の人間が、一生夢を見ているわけにはいかないのはわかりきったことですが、男と女のつき合いのときぐらいなら、女を夢見心地にしてあげることはできます。
いわば、家庭とか仕事とか生活といった現実から隔離すること、非日常の世界に連れて行くことが、女に夢を見せるということでしょう。 ホテルの薄暗いバーの窓際で、夜景を見下ろしながら、上等な酒を飲む。耳にはショパンの夜想曲が・・・こんな状況でも女は夢見心地になれるものです。それは日常の生活感覚とは違っているからです。 しかし、その席で話すことが、上品さや優雅さに欠け、欲望ギラギラでこまやかな気配りがなく、投資した元はとらなくては・・・という姿勢がミエミエだとしたらどうでしょうか。 たぶん、女性は一人で、あるいは気のおけない同性の仲間とワイワイやったほうがよっぽど楽しいと思うでしょう。 いまの女性は、その気になれば男性が経済的に与えられた程度のことは、すべて自分でできます。
しかし、ただ一つできないのは、男の手によって夢見心地にしてもらうことです。 女はそれを望んでいます。つまり、昔気質の男なら、照れくさくてとうてい実行できないようなことを、してもらいたがっているのです。 逆にいえば、いま男が女にしてやれることは、そういう種類のことしか残っていないのです。
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